更年期のお悩み

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更年期と向き合う

更年期とは

女性の体は「女性ホルモン」の働きによって守られています。しかし、年齢を重ねるにつれて女性ホルモンはアップダウンをしながら次第に減少していきます。閉経を迎えた女性の体は卵巣機能が停止し、女性ホルモンがほとんど出なくなります。この閉経前後の10年間を「更年期」といいます。

閉経後は40年近くもの間、女性ホルモンの恩恵なしに生きていかなければなりません。この間、女性ホルモンの変動によってさまざまな不調に悩まされます。しかし、悲観的になる必要はありません。更年期以降に起こりえるリスクを事前に把握していただき、ライフステージにあわせた対策を講じていただくことで、健やかな日々を過ごすことができます。

今現在、更年期真っ只中で、さまざまな症状にお悩みの方は多いと思います。「更年期だから仕方ないこと」と不調を我慢する必要はありません。辛い症状をお持ちの方は、一度当院へご相談ください。患者さんのお体にあった解決策をご提案させていただきます。

ご相談の多い症状・お悩み

更年期に悩まされる体やこころの不調を、更年期障害といいます。

体の変化と不調

  • ほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)
  • 頭痛、肩こり、首のこり
  • 関節痛、手指のこわばり
  • 腰痛
  • 尿もれや頻尿などの尿トラブル
  • シミ、シワ
  • 白髪、薄毛
    こころの変化と不調
    • イライラ
    • 怒りっぽくなる
    • うつ状態
    • メンタルダウン

    これらの症状を軽減させるには、生活環境を整えることがとても大切です。そして、つらい不調が続くときには、我慢せずに婦人科での治療を検討しましょう。

     

    婦人科での治療

    気になる更年期症状は婦人科へ

    更年期障害治療の判断の目安

    40代に差し掛かった頃から、月経周期が乱れることが多くなります。気になる更年期症状があり、不調をいますぐ治したいという方は、婦人科を受診してください。

    更年期障害が疑われる症状をもっている方

    • 閉経している(1年以上、月経がない)→ ホルモン補充療法(HRT)
    • 月経がある
      ▶︎ 卵巣機能が低下している→ ホルモン補充療法(HRT)
      ▶︎ 女性ホルモン値が正常範囲 → 漢方治療

    主に下記のような治療法を検討します。

    ホルモン補充療法/HRT

    更年期の不調の多くは、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が原因で起こります。そこで、不足してしまうエストロゲンを物理的に補おうというのがホルモン補充療法(HRT=Hormone Replacement Therapy)です。

    健康維持に必要な最小限のエストロゲンを補うことで、更年期以降の急激なホルモン減少のカーブを緩やかにし、更年期症状を劇的にやわらげることができます。

    とくに改善が期待できる効果

    • ホットフラッシュ症状(のぼせ、ほてり、異常発汗など)の改善
    • 膣炎や性交痛の改善
    • 骨粗しょう症の予防

    そのほかにも、意欲低下や気分の落ち込みの回復、動脈硬化を防ぐ効果、お肌の潤いを保つなど、さまざまな効果が期待できます。

    ホルモン剤の使用に不安を感じる方へ

    ホルモン剤を使用するというと、少し抵抗のある方もいらっしゃると思います。実際に補充されるエストロゲンは、月経が順調だった年代に体内で作られていた量のおおよそ3分の1程度です。低容量ピルと比べてもかなり少量なので、ご安心ください。

    漢方治療

    患者さんの体質に合わせて処方される漢方も、更年期症状の改善に効果が期待できます。

    とくに改善が期待できる効果

    • イライラやうつ状態の改善
    • 倦怠感の改善
    • 頭痛の解消
    • 夜中の中途覚醒の回避(夜中に目が覚め、その後眠れない状態を改善)

    いわゆる不定愁訴とよばれる幅広い身体症状、そしてメンタルの不調には漢方治療がおすすめです。

    診察・検査のながれ

    まずはお悩みをお伺いします

    当クリニックでは、主に以下のような内容で診察・検査を行い、治療方針を決定していきます。

    受診・問診

    初診の患者さんは、問診票を記入していただき、更年期指数(不調の度合い)を確認します。

    ご来院前に準備したいこと
    • 月経について(周期、期間、最終月経はいつ頃かなど)
    • 既往歴・家族歴
    • 現在、服用中の薬やサプリメント
    • 直近の健康診断の結果

    など

    わかる範囲で構いませんので、事前に準備していただけると診察がスムーズです。

    各種検査
    内診

    更年期世代は婦人科系疾患のリスクもあります。子宮や卵巣の状態を確認し、病気の早期発見につとめましょう。

    血液検査

    採血によって、血液中の女性ホルモンの濃度を調べることができます。また、コレステロールや中性脂肪、肝機能、貧血などの数値も確認します。

    子宮の検査

    女性にリスクのあるガン(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)や、子宮筋腫、子宮内膜症の有無を調べます。
    主に超音波検査が行われます。体に害のない、安全な検査です。

    骨密度の検査

    骨密度とは、骨の強さのことです。骨密度は女性ホルモンと密接な関係があります。
    他の医療機関(整形外科など)で骨密度検査をして、骨量の減少がみられた方は、一度婦人科へご相談ください。

      骨粗しょう症/骨密度測定

      年齢をかさねるとともに低下する骨密度

      骨粗しょう症|黒川郡大和町まほろばレディースクリニック「骨密度」とは、腕や腰などの一定の容積内に含まれる骨塩量(骨に含まれるカルシウムなどのミネラル量)の密度を意味します。個人差もありますが、ほとんどの女性が更年期を境に、骨密度は急激に低下します。骨密度の低下によって閉経以降の女性は骨が脆くなりやすく、60代から骨折しやすくなる方が増えていきます。

      骨粗しょう症

      骨がスカスカになり、脆くなってしまう病気を「骨粗しょう症」といいます。骨の強度が低下することで、骨折しやすくなる病気です。骨がスカスカになるといっても、何か自覚症状がある訳ではありません。無症状のまま進行し、骨折をきっかけに判明するのが一般的です。

      骨密度は、これまでの生活習慣や、日頃の食生活が大きく影響します。そして残念ながら、一度失った骨量は、取り戻すことができません。そのため、骨が脆くなってしまう要因を理解して、日々の生活の中で骨折を未然に防ぐことが重要です。

      閉経を迎えた方で、これまで骨密度検査をされたことがない場合は、一度当院で骨密度測定をご検討ください。

      骨密度の診断基準

      20〜44歳の人の平均的な骨密度を100%として、現在の骨密度が何%を示すかをチェックします。
      70%未満であれば「骨粗しょう症」と診断されます。80%を維持していれば正常範囲とされていますが、将来的に骨密度が低下する可能性は否定できません。

      閉経を迎えた女性は、年に1回、婦人科や整形外科で骨密度検査(骨密度測定)を受けておくと安心です。

      更年期の対策と、更年期後の注意

      更年期を乗り切るために 

      生活習慣の改善を

      40代に差しかかると不調を抱える女性が多くなります。
      毎日の生活習慣を見直して、更年期の乗り切るための対策をしましょう。

      食事と睡眠

      栄養バランスの良い食事を心がけ、良質な睡眠を心がけましょう。
      体調の悪化を軽減させ、自律神経を安定的に整える効果があります。

      適度な運動

      運動も自律神経を整える役割があります。日々の生活に、適度な運動をプラスしましょう。
      加齢に伴い衰えがちな下半身の筋肉(太ももの筋肉や骨盤底筋など)を鍛えるヨガやウォーキングなどがおすすめです。

      子宮関連の病気への対策
      • 子宮筋腫
      • 子宮内膜症
      • 子宮腺筋症

      上記の3つは「女性の3大良性疾患」と呼ばれます。

      どの疾患も、命に関わるほどのものではありませんが、月経痛や吐き気、腹痛・頭痛、イライラなど、ときには日常生活に支障をきたすほどの症状が起こります。

      違和感を覚えたら、早めに治療を行いましょう。

      更年期後は女性特有の病気に注意

      子宮体がん

      子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんの2つがあります。更年期後にとくに注意したいのは、子宮体がんです。女性ホルモンの乱れによってリスクが高まります。
      閉経前後の50〜60代で急増し、なかでも約8割が閉経後に発症することがわかっています。

      卵巣がん

      卵巣にできる悪性腫瘍が卵巣がんです。40〜60代半ばで発症することが多く、50代でピークを迎えます。
      妊娠・出産経験がない方(排卵回数が多い方)ほどリスクが高い傾向にあります。

      卵巣はとても小さく、がん発症初期は自覚症状に乏しい臓器です。早期発見のポイントは、婦人科検診につきます。年に1回、必ず受診するようにしましょう。

      乳がん

      乳腺にできる悪性腫瘍が乳がんです。発症のピークは「40代後半と60代前半の2つある」という特徴があります。
      70代に差し掛かった方でも、発症する可能性は十分にありますので、女性であれば誰しもが生涯にわたって注意が必要な病気といえます。
      適応年齢を迎えたら、乳がん検診を受けましょう。

      ※ 当院では乳がん検診、乳房に関するトラブルについての診察は原則的に行なっておりません。

      その他の病気

      生活習慣病
      • 糖尿病
      • 脂質異常症
      • 高血圧

      上記の病態は生活習慣病とよばれ、更年期以降に起こりやすい病気です。

      とくに命を落とすリスクの高い心疾患(心臓の病気)や脳疾患(脳卒中など)の合併症には注意が必要です。
      日々の生活習慣を改善し、定期的な健診を欠かさずに受けるように心がけましょう。

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